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災害医療におけるPTSDの看護について

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心的外傷ストレス障害「PTSD」の看護

心的外傷ストレス障害「PTSD」の看護

PTSDは「心的外傷後ストレス障害」とも呼ばれています。災害や人質事件、家庭内暴力など、さまざまな要因によって引き起こされる障害で完治が難しく、「認知療法」「薬物療法」「EMDR療法」などを用いた長期的な治療が必要です。

PTSDとは

PTSDとは

災害が発生すると平時とは環境ががらっと変わります。災害のストレスにより、うつ病や情緒不安など何らかの精神症状を発症する被災者も少なくありませんが、大体は数日~数週間程度で落ち着きます。しかし、日常生活に支障をきたすほど重度の精神症状が1ヶ月以上続くこともあり、その場合は「PTSD」と診断されます。PTSDには3つの症状があります。1つずつ詳しく見ていきましょう。

「過覚醒症状や不安感」

「過覚醒症状や不安感」

災害を経験したトラウマから、突然怒り出したり、情緒不安定になったり、集中力が欠けたりなどの症状が出る場合や不安から不眠が続いたり、恐怖心から常に怯えたりすることがあります。

「トラウマに関連した回避行動」

「トラウマに関連した回避行動」

人間の脳は強い恐怖や不安を感じると、一部の脳機能を麻痺させて一時的に現状に適応しようとします。その結果、感情が麻痺し、幸福感や興味・関心が低下してしまいます。子どもの場合は脳機能が弱く、トラウマの感覚やイメージが頭に残りやすいため、喜怒哀楽などの感情が欠落してしまうことも少なくありません。

「トラウマに関連したフラッシュバック」

「トラウマに関連したフラッシュバック」

トラウマを頭の中で整理できず、自分の意思に反して災害の状況や映像が頭の中に現れ、トラウマが再び起こったかのように追体験してしまうことをフラッシュバックといいます。交感神経が過剰に働くため、悪夢を見たり、体が反応して動悸がしたり、吐き気や呼吸困難になったり、筋肉がこわばったりなどの症状が出ることがあります。

ケアについて

ケアについて

急性期は災害のショックが極めて強いため、緊張状態が続いて心身の状態が不安定になっています。安静に休むことが難しい環境なので心身の疲労が蓄積しやすく、PTSDを発症しやすい状態です。そのため、まずは心身ともに十分に休める環境を整えることを意識しましょう。「すでに危機を回避した」と優しく伝えるなどして精神的な安心感を与えるようにしてください。
災害発生から約1ヶ月~6ヶ月の亜急性期になるとだいぶ落ち着いてきますが、ショックが大きく精神状態が不安定な場合は突然PTSDを発症することがあるので注意が必要です。また、時間が経つにつれて被災地以外では災害への関心が薄れてきます。被災者は孤立感を覚えやすく、悔しさや悲しみなどの感情も出てきます。この時期は親身になって寄り添ってくれる存在が必要です。被災者の立場に立ち、声に耳を傾けるようにしましょう。

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