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適切な医療処置を迅速に行うために災害医療ではトリアージが必須

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災害医療のカギとなる「トリアージ」

災害医療のカギとなる「トリアージ」

災害現場では多くの傷病者が同時に発生します。その中で迅速かつ適切な医療を提供するためには「トリアージ」が不可欠です。ここではトリアージの概要やトリアージを実施するのに必要なトリアージタッグについて詳しく説明します。

そもそもトリアージとは

そもそもトリアージとは

トリアージは災害時など多くの傷病者が発生した時に、緊急度や重症度に応じて傷病者の処置に優先順位をつけることです。多数の傷病者が同時に発生しても優先順位をつけることで、全体の救命率を向上させることができます。

識別票である「トリアージタッグ」の詳細

識別票である「トリアージタッグ」の詳細

トリアージを行う際に使用するのが4段階に色分けされたトリアージタッグです。トリアージタッグについては厚生労働省が「トリアージタッグは被災地の医療機関において簡易カルテとして活用できるだけでなく、受け入れ患者総数や傷病度別の患者数をより正確に把握でき、後方病院への傷病者搬送をスムーズに行う際に活用できる」と定めています。
トリアージを行う際はまずトリアージタッグに必要な情報を記入し、それから分類します。トリアージタッグの上部にはゴム紐が取りつけられており、必要な情報と分類を行った後、傷病者の体に結びつけていきます。
災害現場では傷病者の体に結ばれたトリアージタッグから必要な情報を確認し、分類に基づいて適切な順番で医療機関に搬送し、必要な医療処置を行う、という流れです。
トリアージタッグはコピー可能な3枚組となっています。1枚目は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目は受け入れ先の医療機関用で、傷病者の氏名や電話番号、実施した時間、所見やバイタルサインなどの情報を記入します。基本的に右手首に装着しますが、右手首を負傷している場は、左手首・右足首・左足首・首の順で結びつけていきます。
トリアージはスピードが求められるため、2人1組で行います。1人がトリアージの判断をし、もう1人がトリアージタッグを記入する、といった形です。

災害時のトリアージは「START法」

災害時のトリアージは「START法」

「START」は「Simple Triage and Rapid Treatment」を略したもので、「自立歩行が可能かどうか」「正しく呼吸しているか」「脈拍は正常か」「意識はあるか」の4点を素早く判断し、「赤」「黄」「緑」「黒」の4色に分けていきます。
「赤」は 大量出血や呼吸困難など迅速な治療が必要な患者、「黄」は 優先度は高いが生命の危険はなく直ちに処置する必要がない患者、「緑」は重症度が低く外来診療が可能な患者、「黒」は無呼吸やすでに死亡しているなど回復の見込みがない患者を示しています。

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