方法はいくつかある
災害医療に携わるためにはどうすればいいのでしょうか。主な方法は「災害支援ナースとして登録する」「拠点病院に勤務する」「DMATに参加する」の3つです。
災害支援ナースに登録
被災地に派遣され、適切な医療や看護を提供する看護師のことを災害支援ナースといいます。被災者が健康レベルを維持できるように支援し、被災者となった看護師の負担を軽減するのが目的です。
災害支援ナースとして活動するにはまず各都道府県の看護協会に登録しなければなりませんが、5年以上の実務経験が必要で所属先の施設長の承認を得なければ登録できません。また、災害支援ナースの育成研修にも参加する必要があります。
さらに、日本看護協会や都道府県看護協会が開催する災害看護訓練や合同防災訓練に定期的に参加する、災害看護支援活動を対象とした賠償責任保険に加入している、被災地から戻ったら都道府県看護協会が主催する報告会や交流会に参加する、といった条件を満たすことが望ましいとされています。
災害ナースの主な活動場所は医療機関や社会福祉施設、避難所などで、活動期間は災害発生後3日目~1ヶ月後までです。派遣期間は移動を含めて1人につき3泊4日と、それほど長くありません。災害支援ナースの詳細は以下の日本看護協会のサイトで詳しく説明していますので興味のある人は確認してみてください。
災害支援ナースの詳細を確認 災害支援ナースの仕組みや対応区分についてわかりやすく説明しています。
災害拠点病院に勤務する
災害発生時に被災地内の医療・看護活動全般を支援する拠点となる病院を「災害拠点病院」といいます。24時間の緊急対応やヘリコプターの使用が可能かどうか、災害時に被災地内の傷病者を受け入れ搬送することができる機能を備えた救命救急センターまたは二次救急医療機関であるかどうか。また、DMATを保有し、DMATの受け入れ・出動体制、情報収集体制を構築しているか、3日以上孤立しても活動できる備蓄品と医療システムの機能を有しているかなど、複数の条件を満たした医療機関のことです。
災害拠点病院は各都道府県に少なくとも1ヵ所は設置するように定められています。2021年4月時点で、災害拠点病院として指定されている病院は全国に759施設ありました。災害医療に携わりたい人は、災害拠点病院の求人を探して応募してみるのもひとつの方法です。
DMATに所属する
専門的な訓練を受け、高い機動性を持つ災害医療チーム「DMAT」に所属していち早く被災地に入り、救助・救援・救命活動を行う、という方法もありますが、DMATに所属するには指定されている医療機関に所属していなければなりません。また、養成講座を受講し試験に合格しなければ隊員資格は得られないので注意してください。選考基準は医療機関によって異なりますが、急性期医療に携わる診療科に所属している人の方が選ばれやすいようです。DMATの詳細については以下のDMAT事務局のサイトでも詳しく説明しています。
DMATの詳細を確認 DMATの概要をはじめ研修スケジュールや隊員登録の更新など必要な情報が掲載されています。