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災害医療の専門チーム「DMAT」とは何か

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専門チーム「DMAT」の存在

専門チーム「DMAT」の存在

災害医療の理解を深めるためにも災害医療の専門チームであるDMATについて知っておきましょう。日本の災害医療の現状や今後の課題をより詳しく知ることができます。

災害医療支援チーム(DMAT)とは

災害医療支援チーム(DMAT)とは

災害医療支援チーム、通称DMATは「Disaster Medical Assistance Team」を略したものです。災害発生から48時間以内に活動できるように専門的な訓練を受けたメンバーで構成されています。メンバーは、普段はDMAT指定の医療機関で働き、要請があれば直ちに被災地や事故現場に急行し、各機関と連携して救助活動や医療活動を行います。現場で迅速かつ的確に行動できるよう、日頃からトレーニングを受けています。
DMATには厚生労働省が設置する「日本DMAT」と、各都道府県が組織する「都道府県DMAT」があり、両方のDMATに登録している医師や看護師も少なくありません。

発足の経緯

発足の経緯

DMATが誕生したきっかけは1995年1月に発生した阪神・淡路大震災です。当時、日本の災害対応能力は現在よりも低く、警察、消防、自衛隊の初動が遅れて十分に機能していませんでした。被災者への対応も遅れ、救えたはずの多くの命が失われてしまったのです。このことから災害現場での医療の重要性が見直され、DMATの設立に至りました。

活動の流れ

活動の流れ

災害や事故が発生した際は該当地域の消防が判断し、指定されたDMAT医療機関へ要請を行います。そして、指定医療機関はDMATを編成して出動します。
災害や事故が発生してから48時間以内に現場に駆けつけ、72時間以内に医療措置を行うことがDMATの一番の目的です。72時間を過ぎると負傷者の数も落ち着いてくるので、後は地域の医療機関に任せてDMATは現場から撤退します。
被災者が多い場合は第1部隊だけでなく、第2、第3部隊を投入することもあります。また、医療機関そのものが被災した場合は被災地の医療体制の即時回復が見込めないため、日本医師会監修のもと、日本医師会災害医療チーム(JMAT)がDMATの代わりに地域の医療体制が回復するまで医療支援を行います。

課題

課題

DMATは災害時に迅速かつ的確に対応できるように日々訓練を重ねていますが、まだまだ課題もあります。未曽有の被害をもたらした東日本大震災の時もDMATは派遣されましたが、阪神・淡路大震災の時とは状況が異なっていたため、現場は困惑し適切な対応ができたとはいい難い状況でした。
日本は災害大国と呼ばれるほど自然災害が多いのですが、今後、どのような災害が起こるかは誰にもわかりません。しかし、どのような災害が起こっても状況や性質に応じて対応できるように適応力を身につける必要があります。

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